蚕は蛾の一種です。昆虫は冬眠をするので蚕も冬眠をします。
冬の厳しい寒さから身を守るために作られるのが繭です。
県内の某大学で繭を研究しているサークルの方たちから当社の黄金姫(シルクとウコンの入浴用品)について、大学サークルで独自の入浴用品を作りたいとの依頼がありました。
その後、打ち合わせを行い黄金姫については当社と県で特許取得をしていることを伝えました。
サークルの生徒たちが理系ではなく文系であることに興味を抱いた私は(個人的な意見・感想ではありますが)文系の人は発想力があると思っているので彼らと話すうちに
《 どこでシルクがうまれたか 》
《 一つの繭から何メートルくらいの糸ができるか 》
《 太さの基準(デニール)とはどういうことか 》
だけは覚えるようにと伝えました。
今後は大学と当社と共同で絹に関する成分(セリシン・ヒブロイン・アミノ酸)を活用した商品づくりができるとよいという意見がでました。
若い人たちの意見を吸い上げて大学の名前でぜひ売り出してほしい・・そして当社が持っているノウハウ・技術を教えていきたいと意見が一致しました。
「きびそ」とは蚕が繭をつくるときに最初に吐き出す糸のことを言います。
太くて硬いため繊維として生糸に使われることがほとんどなかった部分です。
でもこのきびそには水溶性のたんぱく質が豊富に含まれていることがわかり、保湿や紫外線吸収、抗酸化などの作用があることが分かってきました。
このきびそは太さが均一でないため加工しずらいという点があります。ごわごわ、硬いなどの一面もありますが、これを逆手にとって当社ではさまざまな商品を開発してきました。繭のもつたくましい糸をこれからもたくさんの商品につなげられたらと思います。
第4回目は「緩衝性」と洗濯方法です
「緩衝性」
物が体に当たっても衝撃が和らぎ、怪我をしにくくなる性質です。
これはシルクに限らず言えるかもしれませんが、薄いシルク生地においても身に着けていることで体を守ることにつながります。
最後に上手な絹(シルク)の洗濯方法を書きます。
温度は20℃~30℃くらいの水が最適です。洗剤は中性洗剤を少しだけ入れ、押し洗いしてください。揉み洗いはやめてくださいね。
また、強くしぼらないでください。ねじり絞りも避けてください。
干すときは日陰干しか日光にあててもOKです。
アイロンをかけるときは蒸気をあてると縮むことがありますので注意が必要です。当て布をした方が良い場合もありますので取扱い表示をきちんと確認してくださいね。
シルクの雑学 絹を着ると気持ちが良いわけ をお読みいただき、ありがとうございます。
今後もシルクについてたくさん発信したいと思いますので、お楽しみに。
第3回目はシルクの保湿性と紫外線防止についてです。
「保湿性」
常に皮膚の湿度を一定に保とうとする機能のこと。濡れたシルクは綿の約3倍の速さで乾きます。気化熱による体温低下を防ぎます。また温度や湿度の急激な変化から身を守ってくれるのがシルクです。
「紫外線防止」
人体に有害な紫外線を乱反射して一部は吸収します。
シルクによって適度な温度と湿度が保たれるため、シルクを着ると肌が気持ち良いという感覚が得られるのかもしれません。リラックスできる肌着としても用いられている証拠ですよね。
次回4回目は緩衝性について、そして上手なシルクの洗濯方法についてです。
2回目は「抗菌性」と「保温性」についてお話します。
「抗菌性」
抗菌とは雑菌の繁殖を抑制すること。
汗をかいた時にシルクを着ているとアンモニアを作る菌の活動を抑制するので汗臭が発生しないと言われています。
「保温性」
常に温度を一定に保とうとすること。シルクは人の体温に心地よい温度を保ってくれると言われています。
まさに繭の持つ効果の一つであり、血行が促進される機能があると言われているものです。
次回は保湿性と紫外線防止についてです。お楽しみに。
今日から「絹と健康」と題して絹を着ると気持ちが良い理由についてお話させていただきます。
第1回目は「親和性」です
絹・シルクは繊維の中でももっとも人の肌に馴染みます。
絹を構成する約18種類のアミノ酸は人にとって必須アミノ酸だからです。シルクの糸は外科手術などにも使われています。
絹を着ると適度な湿度と人の体温によってセロトニンなどの幸せホルモンが分泌され気持ちが和らぐと言われる所以です。
次回はシルクの抗菌性と保温性についてです。お楽しみに。